約 220,418 件
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/24.html
【武装神姫 MMS,Type CANNON】 【FORT BRAGG -ADAMS-】 「対空レーダー連動・・・・・・発射準備OK、堕ちなさいっ!」 『対空型MMS フォートブラッグ-ADAMS-』 【基本能力】 フォートブラッグは支援攻撃のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+5) 【格闘基本値】(+1) 【回避基本値】(+1) 【特殊】『射程(6)』以上で攻撃する場合、射撃武器の【威力】(+1) 《間接砲撃》習得済 【技能】 フォートブラッグはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 フォートブラッグ 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《間接攻撃》 《狙撃》 《待機攻撃》 《複数目標攻撃》 《ステルス》 《掃射攻撃》 《回避フォーメーション》 《高速移動フォーメーション》 《速攻フォーメーション》 《集中砲火フォーメーション》 《防御フォーメーション》 《砲撃フォーメーション》 ○フォートブラッグ(ADAMS) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(+4) 【速度】(6) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 6 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(±0) 【HP】 ( 24 ) 【パワー】 ( 6 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 5 / ±0 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 FB0.9Vアルファ・ピストル / 7 /+4/ - / - / - / 7M / × / × M16A1アサルトライフル / 9 /-3/ -2/ -7/ - / 10M / × / ○ レーザー誘導ミサイル(*1)/ 10 /-10/ -2 / -5 /-10/ 8 / ○ / × (*1)『飛行』中の相手に対して【命中】(+3) 【カスタムデータ】 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ FB-CPA 複合機能ヘルメット /《装甲+1》 《センサー性能+4》 胸部 / (0)/ FB-CPC 胸部プロテクター /《装甲+1》 脚部 / (1)/ FB-RP3b ピボット /《HP+2》 《装甲+1》 《速度+1》 背部U / (2)/FB-RP4ファイアリング・バックパック/《HP+2》 《対空レーダー》 《追加ラック×2(レーザー誘導ミサイル搭載)》 武装 / (0)/ M16A1アサルトライフル 武装 / (2)/ レーザー誘導ミサイル(2ユニット分) 計 /( 5 )
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2308.html
アスカ・シンカロン05 ~深卦~ 飛鳥を買ったあの骨董屋は、結局見つからなかった。 神姫センターで調べたパソコンショップや、携帯で調べた骨董屋にも足を伸ばしてみたが、その何れも昨日の店とは違っていた。 骨董屋の店主達に尋ねても、この街で骨董品を取り扱っている店はその3店だけの筈だという解答。 「よーするに、あの店は綺麗さっぱり消えちまった。と」 これで飛鳥とこの手書きの説明書が消えてしまえば、北斗の見た夢だった。で済むのだが、そのどちらも消えずに残っている。 「つまり、少なくとも夢じゃ無ぇ……」 小さく呟き、北斗は虚空を睨む。 飛鳥を買った骨董屋が見つからないとは言え、今、件の武装神姫はこうして同じ部屋の中にいる。 そして、その魂(ナカミ)は自殺した幼馴染、弥涼明日香なのだ。 「……って事は、だ―――」 そして、北斗はその結論に……。 「―――どういう事だ?」 辿り着かなかった。 ……だって馬鹿だもの。 「え~っと、多分なにか不思議な事が起きてるんだと思うんだよ」 「おお、そんな感じだ、そんな感じ」 結論としては何も分からないも同然だが、分からない事が分かっただけでも前進である。 「んでぇ~、これから如何しようか?」 「う~ん」 二人で顔を突き合わせて首を捻る。 「とりあえず、こうやって生き返った(?)のが偶然かどうか分からないけれど、その原因がお前の自殺に関係しているかもしれないよな」 「う~ん。そう言われてもぉ……。そもそも、自殺した覚えも、自殺するつもりも無かったんだよ」 「そう言えばお前、神姫になる前の記憶は何処まであるんだ?」 「え~?」 くきっ、と首を傾げる明日香。 「例えば、お前が死んだ日の朝の記憶とかは?」 「その日の朝に、何かあったっけ?」 「え~と。……いや、何も無かったな」 「それじゃあ分からないんだよ」 「う~ん」 弥涼明日香が自殺したのは学校の屋上。 死亡推定時刻は深夜零時の一時間ほど前、凡そ11時の前後10分程度の間と検死の結果が出ていた。 即ち、22時50分から23時10分までの20分。 その何処かでフェンスを乗り越え裏庭へ転落し、死亡した筈である。 「つまり、その夜に見ていたTVは覚えてるんだな?」 「うん。夜10時の芸能人撲殺クイズで、吾妻玲二がエレンさんにボディブロー喰らって吐いたのは覚えてるんだよ」 「それって、お前が死ぬ直前じゃねぇか」 仮に、23時10分に死んだのだとしても、番組が終わってから即、家を出て学校に向かっても間に合わない。 「学校まで20分は掛かるからなぁ……」 番組が終わるのは22時55分ごろ。 そこから学校まで歩くと23時15分。 「…って、死亡推定時時刻からはみ出ちまう」 「自転車使った、とかは?」 「自転車が学校に乗り捨てられてれば、誰だって気付くだろうが」 乗り手の居なくなった明日香の自転車は、今も涼影家の駐輪場に停めてある。 「う~ん。謎だね~ぇ」 「って言うか、自殺直前にバラエティ見てんじゃねぇよ」 「そういわれても~、その時には死ぬ気は無かったんだよ。その後、何かあったのかもしれないけど、全~然覚えてないんだよ」 「だよなぁ。……って言うか、絶対自殺するタイプじゃねぇよな、お前」 「それは分からないよぉ~。何かショックな事があったのかもしれないんだよ」 「例えば?」 「………………。………………。………………………………。………………………………………………えへへ」 思いつかないらしい。 「はぁ……、結局何も分からず終い、か……」 「北斗ちゃん、元々頭脳労働向きじゃないもんねぇ~」 「ああそうだよ、馬鹿だよ悪いか悪いんだな畜生、頭の悪い馬鹿ですいませんでしたゴメンなさいぃ~」 「まったくだよ~」 テーブルの上で、あはは。と笑う、武装神姫。 「っつーか、お前性格悪くなってないか?」 「そんな事無いんだよ、北斗ちゃんが気付かなかっただけなんだよ」 「う~ん、そんなもんかぁ……?」 「そうそう」 頷いて、明日香はもう一度笑った。 「帰ろ、パール」 「……宜しいのですカ、マスター?」 「うん」 笑い声の聞こえてくる部屋に背を向けて、夜宵は神凪家の階段を下りていった。 「……あら、夜宵ちゃん。もう良いの?」 「すみません、おばさん。北斗のヤツ、寝てるみたいなんで」 「あら、たたき起こしても良いのよ?」 昔は女子プロレスラーだったという北斗の母は、豪快な笑顔を見せる。 「いえ、特に急ぐ用事でもありませんし。……あと、姉さんの事もあるし、余計な気苦労かけたくないんで、寝ている間に私が来た事、ナイショにしておいて下さいね?」 「……いいけど。夜宵ちゃんはもう大丈夫なの?」 「………………はい。私が泣いても、姉さんは生き返ったりしませんから、……絶対に……」 「…そうかい」 「それじゃあ、今日は帰ります」 そう言って、夜宵は神凪家の外に出て、二階の窓を見上げた。 「……北斗。……もう、弥涼明日香は死んだんだからね……」 「…………」 その呟きをどう受け止めたのか、肩の上の白いストラーフは、表情も変える事無く主と同じ窓を見ていた。 イラストとかって需要あるんですかね? 各キャラの下書きはしたんだけど、詠む人のイメージを損なう可能性もあると思うし…。 絵がアレなのも問題ですし…。 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2635.html
「……そんなことが」 「はぁー、そんな神姫もいるんだねぇ。……私が言えた義理じゃないけどさー」 空いた休憩所で今までのことを話し終えた。 シオンもだいぶ落ち着いてきた。 シオンが来てから、最近なんか人に自分の境遇を話してばっかりだな。 別に嫌ではない。身の回りがガラッと変わったようなそんな感じがするだけ。 「そんなわけで、なんとかバトル恐怖症を治したくてここに来たのだけど」 「結局こうなってしまった……」 「う、うん。ごめんね」 霧静さんたちは迷惑じゃないのだろうか。普通に考えたら、自分でもこんな神姫はおかしいと少し思ってしまうわけで、まともにバトルできなかったし。 「大丈夫、気にしてないよ。銃が使えない神姫だけどアリエって今はちょっと強いんだよ。昔はまともに戦えなかったし。……それでいえば、アリエとシオンちゃんは似ているのかもね」 なんだよーそれはー、とアリエは納得がいかなそうな顔をしている。 それで、あの奇妙な大剣を使っているのか。わざわざ銃に似せた剣もアリエの為を思った武装なのかも。 優しい子だな、霧静さんは。 「とりあえずさー、私のこの『エレメンティア』が件のストラーフが使っていたのに似ていたのが問題だったんだからさ。他にもバトルさせてみてもいいんじゃない? 何回かやれば勝てるかもよー」 アリエが意見を言う。 『エレメンティア』というのはその大剣の名前だろう。 ファンタジー色の強い、物語に出てくるような名称だ。 僕としては少しカッコイイと思えてしまった。 しかし、あの大剣の状態が変わった時、イスカのに似ていたってのもあるのだけど、まだバトルをやらせてもいいのだろうか。 大丈夫なのかな? 僕はシオンを見る。 「……まだ、やれます……」 涙を拭いて、僕の目を見てくる。 ただそれがうまく出せないだけで、根性はやっぱりあるんだなと思った。 ―――― 駄目だった。 何人かとバトルを申し込ませてもらってみたけど、戦えていなかった。 犬型や砲台型、イスカと同じような悪魔型とも戦うことはできた。 でも、戦うことはできても全敗だった。 負ける度に泣いてしまうシオン。慰める僕たち。 シオンが気になっているのか――バトルの度に、僕の傍に霧静さんとアリエもいてくれる。 ここで真剣に付き合ってくれる友達が出来たのは嬉しいけど、肝心なバトルは白星を挙げられなかった。 そううまくはいかないか。簡単にできたら、宮本さんにいた頃に治っているはずなんだから。 「う~ん、このまま、やらせても勝てないだろうね。きっと」 「……ちょっと、アリエ。言い方が……」 たしなめようとする霧静さん。 「だって、事実でしょー。銃撃を当てられてもない、撃てたとしても、見当違いの所に当たってる。打撃も本気で打ち込めてないみたいだし。こりゃまじ重症だねー」 アリエの言う通り、相手と戦わせてみても、シオンはダメージを与える攻撃を一切できてない。 勝たせるにはどうしたらいいのだろうか。 いや、勝つまでも、まともに勝負ができるぐらいにならないと、どうしようもない。 ああでもない、こうでもないと、僕たちが思考錯誤している時だった。 「いやー、遅れてごめんな!!……ありゃ?」 「……えっと、この人は?」 「うるさい、おにいさんだねー」 霧静さんたちは僕に訪ねてくる。 場が読めてない淳平だ。 そういえば、淳平が遅れて来るのをすっかり忘れていた。 「マスターがご迷惑をおかけしました……それで、この方々は」 といつも通り胸ポケットにいるミスズが言う。 「うわー、羨ましいなー。こんな可愛い子と仲良くなっちゃって。このこの」 僕を淳平が肘でつついてくる。 「えっ……あの……」と霧静さんは可愛いと言われて恥ずかしそうに顔を赤らめている。 「……淳平、それ以上何も言わない方がいいよ」 「えー、なんでー?」 ミスズが冷徹な瞳で見ているから。 神姫が人間に攻撃できるようなら、絶対危ないだろうな。いつか、目で殺されるかもしれないけど。 「リミちんになんかしたら、許さへんでー!」 アリエがエセ関西弁で凄む。(なんで関西弁?) 「そんなのじゃないって。さっき友達になった霧静 璃美香さんと神姫のアリエだよ。まあ、淳平が来ないから、霧静さんたちと仲良くなったのは事実だけど」 「え、そうなのか」 淳平が来なかったから、霧静さんと話そうとしたわけだしね。 でも、僕は今はシオンのことで頭がいっぱいだよ。 「あなたがシオンね。初めまして、ミスズです」 「……初めまして……」 ミスズが床に降り立って、泣き止んだシオンに挨拶をする。 そういえばどっちも初対面だよな。僕がシオンとの会話のタネにしたことがあるくらいだし。 その本人に会えたんだ。 なんとなく、仲良くなれる気がしたからな、この二人は。 「はーい、私はアリエだよ。よろしくー」 「アリエね。よろしく」 目の前で武装神姫が三人集まった。 友達が増えていくのはいいことだな。 「あれー、どこかで見たと思ったら、キミってO大女子高の生徒でしょ。前にここでバトルしてたの見てたよー。この神姫とかがすっげぇ強かったな。あ、俺は伊野坂 淳平。この子はアーンヴァル型の神姫でミスズだからね!」 「……えっと」 「ほら、霧静さんが困ってるでしょ。やめなって」 少し興奮している淳平が見てられない。 可愛い子が好みらしいから、霧静さんの近くに淳平を寄らせないほうがいいのかも知れない。 あ~、霧静さんは人見知りをするらしいから、こっちは仲良くなれるのか心配だ。 ―――― 「シオンのはなかなか重いみたい」 缶ジュースを買って、三人で飲んでいる。 休憩所のベンチに僕が真ん中で左に霧静さん、右に淳平がいる。人は人同士で、神姫は神姫同士で交流を深めると、なぜかアリエが場を仕切った。 まあ、文句はなかったし、別にそれでいいと思ったからこうなった。 少し向こうにシオンたち三人がいる。 楽しそうに話しているのが見える。 三人寄れば姦しいっていうのかな、あれは。 ……うるさくはしてないけど。 「ふーん、戦えない武装神姫、ね。CSCのせいなのか。螢斗は破棄やリセットは許せないんだろ? だったら、このまま、バトルしないってのは駄目なのか?」 (さっきから、その考えが頭にチラつくけど、それは駄目なんだよな) 「元々、宮本さんの所から家出したのもそれが原因だけど。でも、なんとかしてやりたい。シオンはバトルをしたくない訳ではないみたいだし、嫌がってる様子もない。逆に自分からやろうと思ってる。だけど、身体が拒否する感覚があるって。神姫センターに修理にも出したこともあるらしいけど……なにもなかったってさ」 「……したいのに、できないなんて、変な話」 改めて考えると、人間の精神病みたいだなと思った。 神姫なのに人みたいに反応を起こすなんておかしいよな。 人間の思考に近く、感情があるのも大変なことだと思う。 「まぁまぁまぁ、俺たちも、なんとか協力するからさ。元気出せよ! っな! この後、ミスズともバトルさせてからまた考えてみようぜ」 「……そうだね」 肩を叩いて励ましてくれる淳平。 いけないな、僕が暗くなってた。こういう常時明るい淳平が少し羨ましくなった。 「私も……協力する。シオンちゃんがあんなに泣いて可哀想」 「ありが――」 「あんがとねー! 霧静さん!」 「えっ……その……」 なんで、淳平がお礼を言うんだ。ああ、身を乗り出すから、僕の隣から霧静さんが若干距離を離した気がする。 いまだに淳平に慣れていない霧静さんを助けてから、シオン、ミスズ、アリエを呼び戻すことにしよう。 でも、このままバトルを続けて、なんとかなるのだろうか。 ―――― 「はい、これ、ヂェリカンだよー。私の奢りだからー」 螢斗さんたちと離れて、アリエさんとミスズさんと私。 こんな風に神姫だけで集まるなんて初めてだ。 アリエさんが自分の神姫サイズのバックパックから、色んなヂェリカンを取り出した。ヂェリカンは神姫用の趣向品で、人間と同じような、種類のある飲み物だ。 お酒みたいに酩酊状態になる飲み物から、ジュースのドリンクと色々ある。 私の基本データにはそうあった。 「なんで、アリエはこんなの持ってきているの?」 ミスズさんがアリエさんに対して、疑問に思ってそう言う。 ミスズさんは、マスターの淳平さんや螢斗さんたちには丁寧だけど、神姫同士では気軽に接するみたいだ。 ……でも、私はこういうのは初めてで、いまだに緊張している。 「いやだなー、ミっちゃん。敵であったとしても戦い終わって互いにヂェリカンを一杯飲む。それで私たちはもう友じゃん」 「……一緒にヂェリカンを飲んだら友達ということですか?」 「YES!」 「だからって、このヂェリカンをたくさん持っている理由にはならないのだけど。そもそも、なによこれ。『ゲルリン☆ヂェリー』って」 ミスズさんがそれを手に持つ。 ゼリーでできている人間のような、そんな感じ……いや、そうとしか言えないキャラクターのデフォルメイラストが前面にされている。 「ネタで持ってきたんだー。友達がいたら、飲ませようと思って」 「……ひどくない。それ」 アリエさんが、あははっと笑う。 アリエさんは明るいし友達が多そうだ。 私とは大違いだ。バトルに銃武装が使えないっていうハンデがあるのにすごく強いし。 「ほれ、シーちゃんも、これ」 とアリエさんが一つのヂェリカンを渡してくる。 『イチゴ・オレ ヂェリー』と書かれてある。 「ピンク同士、似合いそうだよー」 「……すいません、頂きます」 手渡されて、蓋を開けてみて飲んでみる。 「あ、おいしい」 「だしょー。それ結構お気に入りなんだ。人間の飲むイチゴ牛乳と似せているんだよ。でも、こっちの方が美味いんだよねー」 甘みがあって、ほんのりとイチゴの味がする。 神姫に合うように、調整されているんだろうな。ヂェリカンは初めて飲んだけど、確かにおいしいと思った。 「神姫ショップにこんなのがあった記憶はないのだけど……」 「あー、こういうのは、リミちんの伯父さんが経営している神姫ショップに売ってるんだ。独自に取り寄せててさー。ちなみに、わたしの武装も伯父さんが作ってくれたんだよー。伯父さん、リミちんに甘いから」 「だからって、こういうの買うのはオーナーの霧静さんなんだから。迷惑かけない方が……」 「大丈夫、大丈夫。ちょびーと、貰っただけ」 「……もしかして、無断?」 「もち!」 「だめでしょ!!……ああ、飲んじゃった、お金払わないと。でも、払えるのはマスターだしなー、ああ、どうしよう」 「……ふふ」 なんとなく、可笑しくて笑ってしまった。 この場がなんとなく楽しく思えた。バトルはうまくできなかったけど、この子たちと友達になれたのは素直に嬉しいと思える。 「この際だ! あんた、これ飲みなさい!」 「うわー! やめてってば! ……うッゴク…………マズッ! ガク」 さっきの「ゲルリン☆ヂェリー」を飲ませているミスズさんと、飲まされているアリエさんとがいつのまにか展開されている。 それで、パタリとアリエさんが倒れてしまった。 あれはそんなに不味いのだろうか。 「それ、ちょっと飲んでみたいんですけど、いいですか?」 「やめておきなさい、死ぬわよ」 「マズマズー」 せっかく持ってきてくれたのだし、もったいない。それにイラストもなんか可愛く思えてきた。 「ッゴク……あ、……私、これ、結構好きです」 ドロッとしてはいるけど、飲めるゼリーみたいな。それでいて柑橘系の味がして、しつこいようで、なんでかあっさりしている不思議な飲み物。 私としては、大好きな部類に入りそう。 「ホ、ホント!? シオンが言うなら……どれどれ……ッゴク…………マズッ!……キュ~」 パタリとミスズさんも直立から倒れてしまった。 あれ? なんで、こんなにおいしいのにみんな倒れるのだろうか。不思議だ。 とにかく、このままにしておけない。 螢斗さんたちに、知らせにいかないと。 ―――― 「あ、螢斗さん。大変です、二人が」 なんでか、ミスズとアリエが倒れていた。 傍らには『ゲルリン☆ヂェリー』と書かれたヂェリカン。それから、なにかドロッとしたのがこぼれ出ている。 何があったんだろうか。これを飲んで倒れだしたよな、二人とも。 うめき声でどちらも寝言のように「マズマズー」と言っていた。本当に何があったんだよ。 シオンに聞いても「……おいしいと思うのですけど」と不思議そうに言う。 「うぉー!! ミスズゥーー!!」 「あっ! これって伯父さんの所の。アリエってば、まったく、もう」 結局、この後二人が強制スリープモードから帰ってこず、バトルもせず、その場はお開きとなってしまった。 淳平は何のために来たんだろうか、わからなくなっちゃったな……。 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1143.html
――BGM:ドレミファだいじょーぶ―― さて「はじめてのおつかい」今日は花道家の生駒さんのお宅にやってまいりました! 今日おつかいに出る子はなんと神姫ですよ神姫。 「それじゃあにーの丞、このフクジュソウの生け花を☆×スタジオまでね。平気そう?」 「うにー! 大丈夫ですにー!」 「・・本当に?」 「にーだっておつかいくらい出来るんですにー!」 「本当の本当に?」 「むー、にーはもう子猫じゃないですにー! いちにんまえですにー!」 「・・・判ったわ。でも無理はしないこと。それから、知らない人には付いて行かない事。いい?」 「わかったですにー♪ 行ってきますにー!!」 「いってらっしゃい・・・ああでも心配・・・(がさごそ)」 さて、心配そうなお母さんをよそに、にーの丞ちゃん(0歳2ヶ月)が初めてのおつかいに出かけます。でも鉢付きの生け花は重そうですね~。 「にー。にー・・・」 通り道の商店街を横切りながら、頑張って生け花をはこぶにーの丞ちゃん。でも、やっぱり神姫にそのサイズは辛いんじゃないでしょうか? 「お・・重いけどがんばるですにー! かぢばのばかぢから~! うにー!」 そんな最初からクライマックスでは無理があるでしょう。・・あれ? 道を誰かが塞いでいますよ~? 「うむ、父君とたま子が気を利かせてくれた休日とは言え、たま子が一体どんなへまをやらかすかと考えると気が気でないのう・・・。いかんな。妾も妹離れをせんとな」 「うにー! うにー!」 「・・・何じゃ、子童? そなた大層な活け花を携えてなんとする?」 おや、その種型神姫さんが話し掛けてきましたよ? いいんですかね~? 「え~っと、知らない人には付いていっちゃいけないですにー」 「・・・殊勝じゃな」 「でも、おねーちゃんは神姫だから大丈夫ですにー♪」 「・・・臨機応変じゃな」 え~、本当にいいんでしょうかね。あ、でも通行人に聞いたらその神姫、なな子さんはこの辺じゃ有名な神姫らしいですね。いい人そうですし。 「その花は、主の使いか? 福寿草とはいい趣味をしておる」 「おかーさんが活けたお花はかっこいいですにー♪」 「妾も、そう思うよ。コレも何かの縁じゃ。妾とて非力ではあるが助力しようか?」 「ダメですにー! これはにーのお仕事ですにー! ひとりでできるんですにー!」 「・・・たま子・・妹と、同じ反応じゃな」 「うにー?」 「いや、済まなかった。ではこうしよう、少し待っておれ」 ・・・あら? なな子さん、いきなり八百屋さんに入っていって台車を引っ張り出してきましたよ。 「そこの八百屋とは馴染みでな。お主の事を話したら台車を貸してくれた。これなら、おぬしの力で運べるであろう?」 そう言いながら鉢を台車に載せてくれるなな子さん。親切ですねー。 「おお! らくちんですにー!」 「笑顔まで、たま子にそっくりじゃな。では・・・」 「・・うに? どうしてついて来るんですにー? にーはひとりでおつかいするんですにー」 「いや。ただ・・・妾の散歩のコースとおぬしの行く方向が同じというだけじゃ。“たまたま”な」 「にー?」 「うーん、今どこですかにー?」 「ここの電柱、薄汚れておるな、見苦しい。まあ住所表記は見えておるのでまだ良いか」 「か、階段こわいですにー・・・」 「バリアフリー、というモノは神姫にも当てはまるかも知れぬな。こちらのスロープの方が余程歩き易いとは思わぬか?」 「あ、赤いしるしきれいですにー!」 「そういえば前たま子が赤いカエルをみて驚いておったのを思い出した。自然界では時として赤を危険色として扱う。人間もそれに習う辺り、意外と動物的部分を失っておらぬのかもな」 「えと・・☆×すたじお・・・。つ、着いたですに~!!」 目的地に着いた喜びで飛び跳ねるにーの丞ちゃん(実際は殆どなな子さんのお陰なんですけれど)。 「さて、妾はそろそろ・・・」 「うーん、大丈夫かしら・・・」 「うむ? ご婦人、関係者であれば堂々と中に入っては如何か?」 「・・え!? あ、ああ、誰の神姫か知りませんけど、お気遣いあ・・」 「あーっ!! おかーさん、どうしてここにいるんですにー!?」 「にーの丞!?」 あれ? 誰かと思えばにーのお母さんじゃありませんか。スタッフにも内緒で何してるんですか? 「にーの丞、そなたの母君か? まさか先回りして・・?」 「えっ!? いや違うのよ? 別に全然心配だったからとかじゃなくって、うっかりにーに届け先の楽屋を教え忘れたのよ? 決して頼りにしてなかったなんて事全然ないんだからね!」 「・・・語るに落ちておるぞ、ご婦人」 「いあや! そんな事はなくて・・・あの・・・ええと・・・」 「すいません、そんな所で立ち往生されるとスタジオ入れないんですが?」 あれあれ、漫才なんてしていたら通行の邪魔になっちゃっていますよ皆さん。 「ん?ああ、悪かった。だが妾達は・・・」 「お届けものなのですにー」 「あ、その生け花はきっと私の楽屋のです・・・あれ? まお? 今日は収録無い筈だろう?」 「うにー? にーはにーの丞ですにー」 「人違い? そんな筈は・・・」 「あ~~~!? 貴女って・・神姫タレントのイブリンちゃんじゃない!? 主演の『武装神姫2036』いつも見てるわよ!」 「はい、どうぞですにー」 「有難う」 立ち話もなんですから、と招かれたイブリンちゃんの楽屋で無事おつかいを果たすにーの丞ちゃん。良かったですね~。 「それにしても、届け先があのイブリンちゃんの楽屋だなんて。ファンなのよ私!」 「妾もテレビドラマの『武装神姫2036』はよく見ておるぞ。毎回ドラマとは思えない程思い切りの良いドタバタギャグで妹共々楽しく見させてもらっておる」 実際凄い人気ですよね『武装神姫2036』。・・・って私他番組の事いっていいんでしょうか・・・。 「はは、有難う。でもちょっと複雑。実はあれってほとんどノンフィクションなんだよ。私やマスターも本名で出ているし」 「ホントに居るの!? あの金持ち会長とか!?」 「ええまあ。と言うか、そのアホ会長のせいで、私はこんなペイントを年中することに・・・」 「そうじゃ、気になっておったのじゃが、その白いスーツカラーは確か耐水ペイントでは無かったか?」 「ええ、そうなのだけれど・・それを見たスタッフが悪乗りしてスピンアウトでこのカラーの神姫を発売したんだ」 「それ、にーの事よね。私もドラマの影響で買ったのよ~」 「うにー?」 「それで、その販促の都合で私は強制的に年中このペイントなんだ。全くいい迷惑ったらありゃしない・・・しかも撮影の度に塗り替えで・・・」 「人気者も大変じゃな」 「大体、私が忘れたいような出来事ばかり取上げられて、そのお陰でマスターの頭上に何度も目覚まし落とされたり、まおの馬鹿に何度も無駄なツッコミ入れたり、一番恥ずかしいセリフばかり何度もリテイク食らったりetcetc・・・。ぶっちゃけ花でも見て心を落ち着かせないとやってられない(泣)」 うわー、イブリンちゃん、まじで泣き崩れちゃいましたよ? 「にー。元気出すですにー」 「・・・妹の姿をした神姫に慰められるなんて、皮肉だな」 「妹の姿、か。・・・そもそも、我々にとって『姉妹』とはどういう意味を持つものなの、じゃろうな」 「なな子さん、あなたにも妹が居るんだ」 「ああ。目を離せないような迂闊者ではあるのじゃが」 「私の所もそうだよ。馬鹿ばっかりで、手間ばっかりかかって仕方ない」 「じゃが、血の繋がりなど持てない我々に、それがどれほどの意味があろうか?」 「にーの丞ちゃんには悪いけれど、こんな風に、妹の姿を模倣されたりだってするのにな」 「うに?」 「・・・妾達は所詮「道具」として生まれた身、都合良さでしか関係を持てぬのだろうか・・・」 「・・・別に、いいんじゃないのかしら?」 「「・・・え?」」 「人間だって、義理の兄弟や親子だって居るんだし、そうでしょ?」 「だけど、後付けの関係なんて、何時壊れるか・・・」 「だって結婚は赤の他人とするわよ?」 「・・・言いえて妙、じゃな。結局結婚も「他人」を「家族」にする行為という訳か」 「実際私の夫なんて出来の悪い弟が一人増えたようなものだし」 「・・・それって本当にいいのですか?」 「いいんじゃないのかしら。上手くいってるなら。貴方達も、聞いている限り、そう思えるけれど?」 「・・・まあ、あのマジョーラバカは私くらいしかしつけられないしな。・・・だけど」 「・・・たま子に「お姉ちゃん」と呼ばれない事など、想像すら出来ぬな。・・・じゃが」 「まだ自信ない? じゃあ、にーはどう思う?」 「うに?」 「こんな妾でも」 「こんな私でも、姉妹と呼べる家族がいていいの、かな?」 「にーのおねーちゃんになってくれるんですにー? にーはおねーちゃんがいっぱいの方がうれしいですにー!!」 「・・・いや、にー、そういう意味じゃなく・・・」 「ぷっ・・あははははは!」 「ふふ、ふふふ、成る程な」 「え? 2人とも?」 「妹って、みんな我がままみたいだね」 「そうじゃな」 「うにー♪」 「・・・ところで、そっちの番組スタッフさん? にーの丞ちゃんが届けた時点で収録終了の筈なのに、何でまだカメラ回しているんですか?」 いや、事情プロデューサーに話したら「そりゃ面白い! 特番でドキュメンタリーにしよう!!」って言われまして・・・。 「・・・勘弁してください(泣)」 「芸能界は、大変じゃな」 「か・・・かくなる上は・・・。獣牙爆熱!!!」 ちゃんちゃん(?) 目次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2115.html
ウサギのナミダ ACT 1-6 □ 翌週末。 俺は気が進まないながらも、いつものゲームセンターへと足を運んだ。 井山とかいう変態野郎がいるかと思うと行く気がそがれるのだが、先週の騒ぎの後で行かないのでは、こちらに後ろ暗いことがあるように思われてしまう。 ティアの恐がりようを思うと、さらに気が引けるのだが、それでも俺はやはり、いつも通りに行くべきだと思ったのだ。 そんなことを考えていたら、いつも行く時間より、一時間ほど遅くなってしまった。 俺はティアを連れて、ゲームセンターへと向かった。 いつものように、店内に入り、武装神姫のコーナーに足を向ける。 ……気のせいだろうか。 ざわついていた店内の空気が変化したように思えた。 バトルロンドコーナー特有の喧噪がなりを潜め、いきなり空気が重くなったような感じだ。 よく見れば、コーナーの誰もがバトルに熱中している風ではない。 みんな、隠れるような視線で……俺を見ていた。 眉をひそめる あの井山みたいな奴が来たからといって、こんな風に迎えられるいわれはないはずだ。 だが、武装神姫のプレイヤーの誰もが、何かやっかいなものを見たような視線で俺を見ている。 俺がどうしようかと迷って立ち止まっていると、店の奥から長身の男が現れた。 大城だ。 「大城、これはどういう……」 「遠野、悪いことは言わないから、しばらくここに来るのはやめておけ」 大城は、らしくない難しい顔をしながら、そう言った。 俺が来たときに言う言葉を決めていたかのように、はっきりと言い切った。 「なんで」 短い一言が硬い口調であったのを自覚する。 食い下がった俺に、大城は黙って一冊の薄い雑誌を差し出した。 週刊のゴシップ写真誌だ。 下世話な芸能ニュースを中心に、サブカル的な内容も扱う、はっきり言って低俗な雑誌だった。 大城から受け取った雑誌は、神姫のオーナーの間では有名だった。 神姫の記事が毎週載っているためだ。 その内容は真面目なものではなく、神姫のグラビアとか、有名神姫のゴシップとか、そう言うたぐいのもの。 俺は興味がなかったので、ほとんど目を通したことはない。 俺はその雑誌をパラパラとめくる。 雑誌の真ん中あたりに、袋とじページがあり、開封されていた。 その扉ページには、『衝撃! 淫乱神姫の過激プレイ、その中身』という、まったくひねりも何もないタイトルが、奇妙な字体で書き殴られていた。 ページをめくる。 「あっ……!」 俺の胸ポケットで、ティアが絶句するのと、俺の脳内にハンマーが振り降ろされたのは同時だった。 そのグラビアに写っているのは、ティアだった。 いや、グラビアなんかじゃない。 グラビアだったら、少なくとも被写体の美しさを表現しようとする姿勢が見て取れるはずだ。 そんな姿勢は欠片もない。 あらゆる方法で汚される神姫を、より扇情的な構図で撮影した写真、だった。 なんで……ティアの過去は海藤くらいしか知らないはずなのに。 なんで、この記事で『T県、T駅前のゲームセンター常連神姫・T』なんて伏せ字で名指しされてる!? しかも、ティアの画像には、目隠しされていない。 ティアを知る人が見れば、間違いなくティアだとわかる。 「……なんだよ、これは……」 「それはこっちのせりふだ。なんなんだよ、これは」 大城が厳しい表情で俺を見た。 「まさかお前、ティアにこんなことさせてるんじゃないだろうな?」 「するわけないだろう!!」 返す答えが大きな声になってしまったのも、仕方ないことだと思う。 冗談でも、俺がティアを慰みものにしているなどと、言ってほしくはない。 「だろうなぁ。お前がそんなことするタマとは思ってねぇよ。 だがな、疑問はある。 この写真はティア以外には見えねぇ。そして、いつ、誰がこの写真を撮ったのか?」 「……奴か」 「だろうな。だが、それが本当だとすると、井山が言っていたティアの過去も本当だということになる」 ……妙なところで鋭い奴だ。 大城の言うことは全くの正論で、否定の言葉も見あたらない。 俺は拳を握りしめる。 「……たとえそうだったとして、今のティアと何の関係がある?」 「関係はないかもしれねぇ。だけど、気持ちじゃ納得できねぇよ。 言っちゃぁ悪いが……神姫風俗は違法だぜ? 犯罪に関わった……しかも、こんな姿を公開された神姫とバトルしたいと思うか?」 「だからそれは……!」 俺の反論を、大城は右手を挙げて制した。 「わかってる、お前は下心あるような奴じゃないってことはよ……。 でも、考えてみろ。今ここでお前が意地を通してバトルしようとしたって、誰も応じてくれやしない。 それどころか心ないヤジや噂話に、つらい思いをするのはお前達だぞ?」 そう、わかっていた。 今この状況で、俺が意地を張ってバトルをしようとしても、応じてくれる対戦者などいないことを。 それでも、俺は納得できなかった。 俺達は何か悪いことをしたか? ただバトルロンドをプレイしようとすることが、悪いことかよ? 俺と出会う前のティアは、確かに違法行為をしていたのかも知れない。でも今は、素体も標準的なものに換装されて、俺の神姫として登録されている。 それに、ティア自身が何か悪いことをしたか? ティアに違法行為をさせたのは神姫風俗の経営者で、法に触れると知りながら彼女を汚したのは、井山みたいな連中じゃないのかよ? 俺はぶつけようのない不満を握りつぶすように、強く強く拳を握る。 何とか無理矢理、自分を納得させようとする。 それでも頭が沸騰して、言葉にならない。 つかの間、俺と大城の間に沈黙が流れた。 それを破ったのは、別の方からかけられた声だった。 「ああ、ああ、遠野くん! 困るんだよねぇ、ああいう人を連れてこられちゃあさぁ!」 「店長……」 俺を見つけた店長は、あわてて側までやって来て、そんなことを言った。 店長は二十代半ばくらいだろうか。小柄で童顔なので、実際は学生のように見える。 人がよく、いつもにこにこと笑っている人だ。 それが、今は迷惑そうな顔で俺を睨んでいる。 「ああいう人って……井山みたいな奴のことですか」 「ちがうちがう! 黒い背広の、いかにもそっちの人って感じの連中だよ!」 店長の話では、午前中に一度、三人組のダークスーツ姿の男達が来店したという。 そして店長にこの雑誌を見せながら「この神姫がバトルしに来ていないか?」とほとんど脅迫めいた口調で尋ねたのだ。 店長は、知らぬ存ぜぬで切り抜けたらしい。 店長にしてみれば、やっかいごとを避けたい一心だったようだが、俺達にとってはありがたい話だった。 男達は、この神姫が来たら教えてほしいと言って、去っていった。 おそらくこの男達は、神姫風俗「LOVEマスィーン」の関係者だろう。 俺がティアを見つけたときに会った男達と特徴が同じだ。 「すみません。ご迷惑をおかけして……」 「ほんとだよ……君も常連さんだから、言いたくはないけど、しばらく店に顔を出さないでくれよ。 僕の方は何も知らないってことにしておくから」 店としては最大の譲歩なのだろう。 俺達のことを話さないでいてくれるだけでも、よしとせねばなるまい。 あんな手合いがやってきたのは、俺達にも責任があると思う。 店長はブツブツと文句を言いながらも、最後は俺の肩をたたいて、去っていった。 こうなってしまっては、店に迷惑がかかってしまう。 認めたくはないし、納得は行かないが、ここは立ち去るしかない。 俺は大城に手を挙げて、きびすを返した。 ふと気付いて、声をかける。 「そういえば、今日は久住さんは来てないのか?」 「……あの記事を見て、すぐに帰ったよ」 「そうか……」 少し胸が痛む。 ティアの過去は、むやみに人に話したリする種類のものではない。 だが、久住さんや大城にも黙っていたことは、俺にも責任があると思う。 特に久住さんは女性だから、何も知らずにこんな写真を見せられればショックだったろう。 「すまないな、大城」 「……」 大城はらしくもなく口ごもる。 わかっていた。 俺に「店に来るな」という嫌な役目を、大城が自分からかって出たことくらいは。 友達だから、相手にとって嫌なことでも遠慮なく言う。 それはそれで奴らしい。 そう考える俺の頭はようやくに冷えて、一抹の寂しさが心の中に積もりつつあった。 俺は大城に背を向け、ゲーセンの出入り口をくぐった。 結局のところ、納得などしていない。 ただ、現実を認識し、俺が一歩引いて、意地を通すのをやめただけだ。 帰り道も、家に着いてからも、俺は考え続けている。 風俗にいた神姫を保護して、自分の神姫として登録し、バトルロンドに参戦した。 武装はオリジナルだが、違法パーツは使っていない。公式戦にもエントリーはしていない。 近場のゲームセンターで草バトルを繰り返した。 それだけだ。 俺は誰もだましていたわけじゃない。 だけど、ティアの過去が、神姫風俗というものへの認識が、どのようなものなのか思い知らされた。 神姫のオーナーであれば、パートナーとして大事にしている神姫を、性のはけ口として弄ぶその行為自体、受け入れられないだろう。 (お互い同意のもとのスキンシップならば、また別なのかも知れないが、俺にはよくわからない) その気持ちはわかる。 だが、もはや風俗の神姫ではないにもかかわらず、なぜティアは受け入れられない? 武装神姫としてバトルにいそしんでいる姿は、誰もが知っていることだというのに。 ティアの過去がどうあれ、俺以外の誰に迷惑がかかるというのだろう? ……いや、ゲーセンの店長には迷惑かけているか。 確かに、あの黒服連中が店に出入りするようになったら、店長にしてみれば大きな痛手だ。 それを理由に店に来なくなる客もいるかもしれない。 その点については、申し訳ないと思う。 俺達のことを黙っていてくれるという店長には、むしろ感謝しなくてはいけないだろう。 だが、直接の原因は俺達か? ティアが、風俗にいたことが悪いというのか。 俺は、断じて違う、と言いたい。 神姫はオーナーを選べない。そしてオーナーの命令は絶対だ。 風俗にいる神姫は、どんなに嫌でも、違法であっても、身体を売る以外に為すすべがないのだ。 ティアはもう何度も何度も傷ついた。 もう十分だろう。俺のもとにいて、同じように傷つく必要なんてない。 それでも、ティアは受け入れてもらえないのか。 風俗にいた神姫というだけで、この先ずっと認めてもらえないのか。 そこまでいくと、もう社会的通念の問題で、俺個人の力ではどうしようもないことだ。 それはわかっている。 頭では理解できている。 納得できていないのは、俺の感情だ。 為す術のない自分の力不足に、不満であり、怒っている。 やっとたどり着いた、武装神姫オーナーとしての道を突然閉ざされたことに怒っている。 俺達が今までしてきたことを、誰もが手のひら返したように否定する態度が、納得行かない。 けれど、頭でどんなに考えたところで、結局俺一人の力なんてたかがしれており、何をしたところで、問題解決にはならない、という結論に達する。 堂々巡りだ。 俺は額に手を当て、ため息をつく。 以前、海藤が言っていた言葉を思い出す。 「どんなに君が否定しても、神姫風俗とのつながりを疑われるよ」 ああ、そうだな、海藤。君の言うとおりだ。 俺は今、自分の無力さに打ちのめされている。 こんなどうしようもない状況に誰がした? 俺じゃない。久住さんや大城でもない。ゲーセンに集まる常連さん達や、店長でもない。 誰だよ、俺達をこんな状況に追い込んだ奴は。 俺の視線が、不意に机の上の神姫をとらえた。 クレイドルの上で膝を抱え縮こまっている。 ゲーセンであんなことがあってから、一言もはなさず、落ち込んでいる。 俺の神姫。 ティアが、顔を上げた。 視線が交差する。 ……俺はどんな顔をしていただろうか。 ティアの愛らしい顔が、みるみる恐怖に塗りつぶされていく。 ……なぜだ? なぜそんな顔をする? 「ティア」 「ひっ……!」 俺の呼びかけに、ティアは頭を抱え、ますます縮こまる。 「ご、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」 まるで、壊れてしまった音声メディアのように。 謝罪の言葉を繰り返し繰り返し唱え続ける。 俺は。 俺はバカか。 俺は一瞬でも、ティアが元凶だ、などと疑ってしまったのか。 今回のことで、一番傷ついたのはティアのはずだというのに。 「違う……お前が謝ることなんてない」 絞り出すようにかすれた声。 ちゃんとしゃべったはずなのに、その声色には悔しさが滲んでいる。 「ちがうんだ」 言い聞かせるようにつぶやく。 誰に? きっと、ティアと自分自身に。 マスターとして自分の神姫を守れなかったふがいない自分に腹が立つ。 ティアにこんな顔をさせてばかりな自分が悔しい。 俺は前に言った。 ティアに、普通の神姫でいてもいいと、教えてやりたい、と。 俺が望む以外に、ティアが俺の神姫になる資格があるのか、と。 ……何様のつもりだ。 俺は、こうして怯え、傷ついているティアに、何一つしてやれていないじゃないか!! それで、一瞬でも、俺をこうして苦しめているのはティアじゃないか、なんて考えて。 俺の方こそ、ティアのオーナーでいる資格がない。 やり場のない怒りを鎮めるため、両の拳をきつくきつく握りしめた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/881.html
ホビーショップ『165-DIVISION』 都内某駅前の古いビルの地下にある、武装神姫中心の公式公認小売店舗。 店の雰囲気及び商品は、全体的に暗黒系でまとめられている。 店員の格好なども似たり寄ったりなのでおそろしくとっつきにくいが、初心者にも親切に対応し、購入後のサービスも行き届いている。 純正パーツは大手店舗には及ばないものの、基本的なメンテや簡単な修理に使う部品は一通り揃っている。 年に2回、割引セールがある。 リアルなら1対1。バーチャルなら2対2まで対応可能なバトルフィールドあり。時折、小規模ながら大会も開いている。 店長は大概あまり表におらず、ほとんど店員2名で対応している。 交通手段は周辺ではJR線一本のみで、更に休日は各駅停車しか停まらない、駅周辺に駐車スペース、駐輪スペースがないなど交通の便はイマイチ良くない。 しかも店のある場所が目立たず、先述の通り店の雰囲気が独特すぎて客を選ぶため、さほど繁盛しているわけでもないらしい。 店長:エンリコ 備考: 常にパンクとメタルの混ざったような格好をしている。 ただ、実際話してみると意外に気さくで面倒見がよく、特に初心者には親切に対応してくれる。 言うまでも無く、趣味はひたすら濃い。 エンカウント率は低め。 細身ですっきりとした顔立ち。 『エンリコ』はあくまで店内での呼び名。本名は不明。 店員一号:ヨル 備考: 黒メインのゴスロリファッションに身を包んだ女性。肩口までの銀髪で赤い目。片目に眼帯。 笑顔で明るく元気な人。そのため接客と、大会の際のアナウンスなども担当する。 やっぱり趣味は濃い。 『ヨル』はあくまで店内での呼び名。本名は不明。 店員二号:ハネ 備考: 白メインのゴスロリファッションに身を包んだ女性。腰までの銀髪。目が隠れるほどの前髪。 無口で物静かな人。そのためか品だしやレジ打ちなどの裏方作業が主。大会の際にはジャッジも担当する。 同じく趣味は濃い。 『ハネ』はあくまで店内での呼び名。本名は不明。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1243.html
パイソン(ギャグです) 永倉辰由(ながくらたつよし)。 近隣を支配する極道。伊藤組組長、伊東観柳斎の懐刀とまで呼ばれる男である。 実質、伊藤組のナンバー2と言っても過言ではない。 誰が呼んだか通称“パイソンの辰”。 先祖代々極道で、古くは江戸の賭博を取り仕切っていた顔役、永倉興三郎まで遡れる由緒正しい生粋のヤクザ者である。 「おう、伊藤の所の永倉じゃねぇか?」 不意に背後でした男の声に、辰由は懐に手を入れて振り返る。 「………これはこれは、四課の原田刑事。お久しぶりです」 声の主は原田大介。 捜査四課、暴力団対応の刑事で荒事のプロだ。 「今日は如何なさいました? 界隈は平和そのものですよ?」 顔見知り相手なので、彼の二つ名の由来となった懐の中の凶器は出さずにおく。 「確かにここの所は何処も大人しいもんでな、逆に俺は何かの前触れじゃねえかって踏んでるんだがよ?」 「ははは、原田刑事のカンですか?」 苦笑する辰由に原田は一歩近づいた。 「おう、永倉? てめぇ、何かヤバイ山企んじゃいまいな? あぁ?」 「ご冗談を、自分は真っ当な会社員です」 「…けっ、よく言うぜ。パイソンとまで呼ばれた男がな」 「お恥ずかしい限りです」 「今も持ってるんじゃねぇだろうな?」 「まさか、流石にアレを持ち歩くほど界隈は荒んでいませんよ」 平然と言い切る辰由。 実はしっかりと懐にはソレを隠し持っている。 だが、流石の原田も見せてみろとは言わない。 それを見たときが自分の死ぬときだと分かっているからだ。 「けっ、まあいい。何か起こして見やがれ、その時は観柳斎の野郎もろともブタ箱にぶち込んでやる!!」 「では、それまでに夜道で事故になど遭われませぬよう、お気を付けを………」 そう言って辰由と原田は互いに背を向けた。 「…って所で仕事おしまい。んで、最近調子はどうでぇ辰よう?」 くるっと振り返る原田。 辰由も再び振り返り、再度原田と向かい合う。 「…相変わらずですが、先日ウチのシマに粉持ち込んだ外人が居ましてね。…締め上げて背後関係を吐かせたんで、後で引き渡します」 「で、流れたのはどれ位だ?」 「二、三件際どかったようですが、一応回収には全て成功しています。モノは処分してしまいましたのでお引渡し出来ませんが………」 「そうか、相変わらずの手並みだな。しかし、ココに粉持ち込むたぁ馬鹿な外人だぜ」 「最近はそういう輩が増えましてね、こちらは結構大変です」 「…悪いな、警察ってのは防犯にゃあ、あまり役にたたねぇからな。お前らの尻拭いしか出来んのが歯痒いぜ」 タバコを取り出し火を着ける原田。 「原田さん、ここ、路上喫煙禁止区域です」 「んあ? ちっ、しゃーねぇな。ったく、ウゼェ法律作りやがって」 「刑事の言葉じゃありませんね…」 辰由は苦笑した。 「そういや、最近辰の字は吸わねぇのな?」 「ええ、お嬢が『辰はタバコ臭いから嫌い』と言って以来10年吸ってません」 「ああ、伊東ん所の美空譲ちゃんか? ちったぁでっかくなったのか?」 タバコを仕舞いながら原田が尋ねる。 ちなみに、タバコを捨てないのはポイ捨て禁止だからではなく、勿体無いからだ。 後でもう一度火をつけて吸うつもり満々である。 「そうですね、お嬢も高校に上がってからは随分と元気になられまして」 「そいつは良かった。…小学の最後ら辺か? あんときゃ随分酷かったからな………」 「フェータさんのお陰ですよ」 お嬢、伊東美空の神姫の名を辰由は口にした。 「…ああ、嬢ちゃんが連れてる人形か。―――そう言やぁ、武装神姫って言うのはアレのことか?」 「ええ、アーンヴァルですね。原田さんも神姫に興味がお有りで?」 「いや、そうじゃなくてな。なんでも最近神姫センターに幽霊が出るって言うんで、二課の武田が動いてるんだよ」 「―――幽霊、ですか?」 「ああ、何でもバトルロイヤルって言うのか? アレに参加していない奴が乱入してくるらしい………。俺には良く分からないんだがな?」 「バトルロイヤルに乱入………。不可能だとは思いますが………」 「ああ、武田もそう言ってたぜ。まあ、とにかく美空嬢ちゃんにも気をつけるように言っといてくれや」 「心得ました」 「さて、それじゃあ俺は聞き込みに行くとするか」 そう言って原田は再度背を向ける。 「原田さん。パチンコ屋で遊ぶ事を聞き込みとは言いません」 「良いんだよ、あれはパチンコ台と俺との会話なんだ、立派な聞き込みじゃねぇか?」 「………何時もの店でしたら、パチスロ神姫の2列目、右端がお勧めです」 「何時もすまねぇな」 「いえ、それではまたいずれ………」 そう言って辰由も背を向ける。 「そう言や辰よう? お前ぇ、武装神姫に詳しいのか?」 「………ご冗談を、風俗の仕切りの関係で身についた知識です。………仕事ですよ」 「そうか」 そう言って原田は今度こそ歩み去った。 「ふぅ」 マンションの玄関で電子鍵を開けてロビーに入った。 他ならぬ永倉辰由の住居である。セキュリティは水準以上を保っている。 エレベーターのボタンは『5』最上階の一室が彼の住まいであった。 「帰ったぞ」 「お帰りなさいませ、だんな様」 帰宅した辰由を、見目麗しい少女が三つ指を着いて出迎える。 「お風呂とお食事の用意は整っておりますが、如何なさいますか?」 「先に風呂にしよう。ビールを用意しておいてくれ」 「畏まりました」 そう言って少女は部屋の奥へと消える。 「ふ」 アレを拾ってからもう随分になる。 最近は色々な事を学習し、辰由を驚かせることもしばしばあった。 皮靴を脱いで、女物のローファの横に並べると、辰由は風呂場に向かって歩き出す。 「あ、辰由~。お帰り~」 「ぶぼおぉっ!!」 いきなり居間から顔を出した少女に辰由は吹き出した。 「おっ、おおおお」 「オリビアを聴きながら?」 「じゃなくて、お嬢が何でココに!?」 「辰由居るかな~って思って来て、ピンポ~ン鳴らしたさ。そしたらあの子が鍵開けてくれた」 「~~~~~~。 \(@O@)/」 永倉辰由(ながくらたつよし)。 近隣を支配する極道。伊藤組組長、伊東観柳斎の懐刀とまで呼ばれる男である。 実質、伊藤組のナンバー2と言っても過言ではない。 誰が呼んだか通称“パイソンの辰”。 先祖代々極道で、古くは江戸の賭博を取り仕切っていた顔役、永倉興三郎まで遡れる由緒正しい生粋のヤクザ者である。 そんな彼が神姫を保有していることが発覚した瞬間であった。 「プリンちゃんって言うんだ~、可愛いねぇ~」 辰由の同居人である神姫を手に乗せ、頬ずりする美空。 そんな彼女に縋り、額を床に擦り付ける“パイソン”辰由。 「お嬢、如何かこの事は内密に!!」 「ど~しようかな?」 「お嬢ぉ!!」 「あはは、おっけーおっけー。でもその代わり一つだけお願い聞いて?」 「分かりやした。何なりと」 返答は即答。 今の辰由は必殺のパイソンでべ○ータとかフ○ーザだって素で倒せる!! しかし、美空の要求は彼の思考の斜め上を音速飛行して行った。 「それじゃあ、今から対戦しに行こう」 「ぶぼおぉっ!!」 再び吹き出す辰由。 …如何でも良いが、さっきまでの渋い極道の面影は欠片もない。 もはや単なるギャグキャラと化した辰由は思考回路をオーバードライブさせる!! (プリンを連れて外に出る!? 馬鹿な、そんなことは不可能だ!! しかし、お嬢は本気だ。逆らえば間違いなく言いふらす!! お嬢はそういうお人だ、間違いない!! ならば如何する!? 考えろ!! 考えるんだ!! クールになれ、永倉辰由っ!!) 上記の思考が、彼の脳を通過するのにかかった所要時間、僅かに0.0275秒っ!! それは最早光すら超越した高速思考!! 今の辰由は光速拳のライトニ○グプラズマとか余裕で見切るっ!! そんな彼の努力に天啓が報いた。 (そうだ、俺にはコレがある!! 俺にはこの“パイソン”があるじゃないか!!) そう、それは実に簡単な回答だったのである。 (俺とプリンちゃんが出歩く姿を見た奴を、全部このパイソンでぇ!!) ソレを美空に使うという発想が無いあたり、観柳斎が全幅の信頼を置くだけのことはある。 だがしかし、それは大量殺人ルートです。 「いや、辰由。恥ずかしいなら変装でもすれば良いじゃない?」 連れ出すのを勘弁するという思考が無いあたり、美空は何処まで行っても美空だった。 「…変装?」 「そうそう。グラサン変えてマスクでもすれば誰も辰由だとは分かんないわよ?」 「なるほど、変装ですか………」 そう言って辰由は大きく頷いた。 その日、ゴスロリドレスを着込んだヒゲ面オカマが、神姫センターに現れたという。 武装神姫、“シュメッターリング”のプリンちゃんを引き連れて。 おしまえ 二段オチ 美空「そう言や辰由って、何で“パイソン”って呼ばれてるんですか?」 フェータ「拳銃のコルトパイソンが武器だからですか?」 辰由「いえ、殺人ジョークが武器だからです」 美空「モンティ・パイソンかよ!?」 こんどこそおしまえ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/777.html
斬馬刀という言葉がある 文字通り馬すら切断出来そうな程大きな刀の事だ そこからもじって、鬼を切れそうな刀は「斬鬼刀(鬼太刀)」、戦車を切れそうなのは「斬車刀(注1)」というわけだ 同様に「斬姫刀」という言葉が、あまり一般的ではないが使われる事がある 那俄世 源八郎 稀代の刀匠であったが、彼の最高傑作はまさにその「斬姫刀」であると伝えられている つまりは武装神姫を斬る為の刀だ 「鬼葬」あるいは「姫葬」・・・いずれにしてもその為に作られ、使われるのが「銘刀」であるならば、 「鬼奏」あるいは「鬼操」の為に作られ使われるのが「魔剣」であろう 神浦 琥珀 神姫の為の魔剣を打つ事が出来る、現在唯一の「ナイヴスロッテ」 鳳凰杯決勝リーグ第二試合・・・ この闘いは 二人の刀匠の闘いでもあった 鳳凰杯編 「器創、鬼奏、姫葬・・・即ち競う」 翠と白の刃が、舞う はなから小細工を弄するつもりは、クイントスには無かった 携えるは『鳳凰』彼女の音速剣を無制限に使用可能にする、『不壊の刃』だ だが、武器の優位に頼んで勝ち切る事は今のクイントスには不可能だった 那俄世 源八郎の・・・斬姫刀 そして使い手は「白い翼の悪魔」・・・!! 今大会のレベルの高さを象徴するひとりである 「どうやって位置を!?」 残影と虚像、特殊ステルスシステムを駆使して隠れる『ミチル』の位置を把握出来たのはこの攻撃で二度目、ただし、有効打は与えられない様だが 『下がって!もう一度仕切りなおすのだ!』 落下するクイントスの剣が空を切る マスターと神姫の連携は・・・かなり悪くない (それにしても・・・かすりもしないとはな・・・) クイントスはかなり疲弊していた 視力で捕らえる事が不可能な相手を、気配と音だけで裁いている訳だが、絶対に回避が不可能なタイミングで来る事と、装甲が余り役に立たない事が、実際以上に彼女に疲労感を与えていた 結局、『鳳凰』の『不壊』に頼って無様に受け止め続ける事七度、剣が並みのものなら既に5,6回死んでいる事になる (加えて、『無風剣』とはな・・・) ミチルの剣閃は「斬られた事に気付かない」と言われる程に鋭い・・・そして事実、殆ど空気を震わせる事無く迫る二刀流は、防御に徹してすら裁き切る事が困難に極まる 流石は世界大会72位という事か 体勢を半ば崩しながらも、何とか着地に成功する、同時に飛び苦無、弾き散らすとその背後に、微かな気流の乱れを感じる 「そこかっ!?」 だがそれは『ミチル』のプチマスィーンだ。空気のゆらぎの規模で判別出来なくも無いが、経験則から言ってこの種の囮攻撃を仕掛けてくる場合、罠は三重以上に張るのが常套だ 案の弱手側に出現する『ミチル』・・・だが、『クイントス』はあえて右側面に切りつける (左は・・・映像だ!) 爆音は衝撃の後に起こった 強烈なソニックブームの中でしかし、交差させた二刀流に囚われた『鳳凰』を、クイントスは驚愕の視線で見ざるを得なかった 一振りは音速超過の衝撃と大質量に耐え切れず半壊したが、それでも尚刀としての形を保っている そこに、クイントスは対峙している当の神姫ともそのマスターとも違う、第三の強烈な執念を感じ、思わず剣を引いた 三度、軽いが鋭い金属音が響く 『鳳凰』を引き戻していなければクイントスは一瞬で四等分にされていた所だろう 剣速は勝っているかも知れない、が、反射神経が追いつかない ミチルの技はまぎれも無くクイントスの力量を超えていた だが不思議と絶望感が沸かないのは何故か? 我知らず、クイントスは口の端に笑みを浮かべていた・・・武に生きる戦士としての性、実に度し難い悪癖であろう だが、それを武装神姫にプログラムしたのは人間だ つまり、人間というものがそも度し難い闘争本能を有し、その代理行使者として作られたのが武装神姫だ (そういう様に作られたのだからそういう風に振舞うだけの事だ) マスターの為とか、栄光の為とか、そういうものはクイントスにとってはある意味不純物ですらあったかも知れない 先刻の一撃は、ミチルに致命打を与えはしなかったが、かすりもしなかった今迄に比すれば幾分か「まし」であった 日本刀で闘う相手に剣を使った「受け」を行わせただけでも、である 尤も、受け止められてヘシ折れていないのも、その後こうして立っているのも、結局『鳳凰』の御蔭といういささか情け無い側面もあったのだが 武器では、ある意味勝っていたのかもしれない 「むぅ、なかなか粘るのだ・・・」 國崎 観奈は少々の苛立ちを隠し切れなかった アルティ・フォレストと闘うのが取り敢えず当面の目的であり、ファーストランカーも数名参加しているこの大会において、他の有象無象はいわば前座・・・そう言い切っても決して驕りではない程度には、『ミチル』の実力は確かだったからだ 加えて、『クイントス』は彼女からすれば無名でもあったし、マスターとの連携が良いとは決して思えなかった (・・・そういえば向こうのマスターは何もしていないようなのだ・・・) 今回、最初から空戦装備で出て来たクイントスに対して、川原正紀は一切の支援も支持も行ってはいない 実は普段からそうなのだが、当然その事実を観奈は知らない (何か企んでいそうなのだ・・・むむむ) 結局その慎重さが、却ってクイントスの助けになっているかも知れなかったが、明らかに疲弊しているクイントスを圧倒し切れないと考える程に、彼女は自身の神姫に対して不信を抱いてはいなかった 重い衝撃音と、鋭く耳障りな金属音が画面から響いたのは、観奈の思考がひと段落ついた瞬間であった 「!?」 鳳凰杯は全勝負バーチャルであり、現実や、次の試合にはその損傷も何も持ち越されるものではない だが、それでもその光景は彼女を焦らせるには充分足るものだった 「『ムラサメ・ディバイター』 が片方壊れてしまったのだ!!」 ミチルの反撃をいなした・・・いなしたというよりも、回避されると踏んで移動後予測地点を攻撃したミチルの攻撃に、クイントスが反応出来なかっただけに見えたが・・・クイントスは、最早画面越しに見ても判る程に凶悪な笑みを浮かべて、奇妙な文様の入った長剣を横手に構えた 『がぁッ!!』 横薙ぎに一撃。気流を大きくかき乱して、吹き飛ぶ様に後退するクイントス 深追いせずにその場に踏みとどまるミチル 『私に勝つ気が本当にあるなら・・・次の一撃で決めにかかる事を進言しよう・・・!もう二撃凡庸の攻撃を繰り出すならば、私はそれを見切るッ!!』 一瞬、ミチルが観奈を窺う様な表情を見せた 決闘ものの時代劇そのものの様な、馬鹿馬鹿しいまでに愚直なその挑発はしかし、観奈にとって好ましからざるものではなかった 「ミチル、そこまで言われて退く手はないのだ!真正面から切り伏せよ!!」 大きく頷くと、一気に駆け出すミチル。彼女は知らないが、シチュエーションとしては『クイントスVS司狼』の際の最後の相抜けの時と酷似している 否、厳密には既に試合内容そのものが酷似しているのだ・・・つまりはこの試合展開というのは『クイントスのペース』だったと言っても良いかも知れない・・・こちらも知らないが、少なくとも観奈は、これ以上クイントスに生半可な攻撃を仕掛ける事の危険性を感じていた 白影を引き摺りながら走るミチルと、蒼い矢と化したクイントスが接近する・・・剣速の相対速度は今大会屈指であっただろう がきぃっ!! 巨大なインパルスを伴ったクイントスの攻撃を、ミチルは破損した『ムラサメ』で受け止めた・・・一瞬後にはその残った部分も弾け飛び、ミチルの肩口にも『鳳凰』がめり込んだが、その瞬を稼いだのは紛れも無く今は亡き伝説の刀匠の意地であったろう・・・。そして、剣を解き放ったクイントスの頭部にもう一方の『ムラサメ』を滑り込ませる事は、それこそミチルにとっては一刹那の時があれば充分であった とはいえ、観奈には白化し始めたミチルを目の前にして、その勝利を信じる事は、ジャッジングマシンがクイントスの敗北を断定する迄難しかった こうして、『クイントス』の名がミチルと観奈の強敵録の中に刻まれたのである・・・残念ながら、川原正紀の名はその後ついぞ思い出される事はなかったのであるが 「満足かい?」 正紀ではなく、琥珀がそう語りかけた 「馬鹿な事を!敗北して満足する訳は無い!」 「その割には随分と嬉しそうだけど?」 珍しく悪戯っぽく、琥珀は笑った 頭をかく仕草。神姫にとっていかなる意味も無いその仕草が、彼女の照れを雄弁に物語っていた 「貴女の剣が、私をあれ程の強敵と戦わせてくれたのだ・・・感謝しているさ、どちらにも」 それだけ言って、“ALChemist”で買って貰った新品のマントを羽織って、クイントスは立ち上がる 「・・・決めたよ・・・来年度を私の槙縞ランキング最後の年にする事をな」 空を見つめるクイントスの寂しげな瞳に映っている神姫を、琥珀は既に知っていた 同時に、そこに映っていない者の中で、その内映る事になるであろう者にも、彼女は心当たりがあった (宿業か・・・僕はどれだけの数の戦士達の闘争と、その果ての姿を見る事になるのだろうか・・・) 同じくブースから出て来たミチルに駆け寄るクイントスの後姿を見送って、琥珀はその場を後にした 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ 鳳凰杯・まとめページ 注1 銃夢である。因みに筆者は「バイオレンスジャック」も好きである
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/162.html
前へ 先頭ページへ 次へ 「犬達の出会い」 「……でよぉ? そしたらそのバカの神姫が勢い余って壁にぶつかってやんの。で、目ぇまわして、相手不戦勝」 「はぁ」 「しっかし昨日の、なんだっけ。『片輪の悪魔』は強かったよなぁ。あいつのマイティがこっぴどく負けるほど強いんだぜ? 戦ってみたいよな」 「はぁ」 「……おいシエン、聞いてんのか?」 「へっ?」 やっぱ聞いてなかったか。 オレの神姫、犬型MMSハウリン「シエン」は、あわてて直立。 「も、申し訳ありません、ご主人様。聞いておりませんでした」 「いや、別にいいんだけどよ。なに見てたんだ?」 シエンの後ろには先ほどまでこいつが操作していたパソコン。画面にはおもちゃ屋のページが開いている。なになに……? 「ごっ、ご主人様!?」 すかさずシエンがマウスを操作し、ウインドウを消す。 「おいおい、何だよ?」 「いえ、あの」 「お前にしちゃずいぶん熱心に見入ってたじゃねえか」 「そ、それは」 「いいから。見せてみろよ」 オレはブラウザの履歴を開く。 「でも」 「見せろ。命令だぞ」 その言葉には逆らえず、シエンはその場でうなだれた。うーん、ちょっと卑怯くさかったな。 最新の履歴には「ホビーショップNOVAYA……」とあった。 開いてみると、そこには、 「1/12スコープドッグ復刻版、フルモータライズエディション?」 「あう……」 三十年も前に発売されたロボットのおもちゃを、間接の一つ一つに小型動力を仕込んだ、ラジコン操作が可能なやつだった。 このおもちゃのすごいところは、完全再現されたコクピットの計器・レバーがすべてアクティブだってことだ。武装神姫とのコラボレートを見込んだ機能らしい。 「お前ぇ、こいつが欲しいのか?」 「いや、その……」 「欲しいんだろ?」 「…………はい」 シエンは顔を真っ赤にして、蚊の鳴くような声で答えた。 「なんだよ。だったら言えばいいだろ。これくらい買ってやらんこともねえぞ」 まあ、ン万ぐらいだったらこいつに出しても良いだろうな、という覚悟は決めた。今。 「でも」 「あ?」 「お値段が……」 「値段?」 オレはページを下に少しスクロールした。 「いちじゅうひゃくせんまん……」 うぐ。オレはのどを詰まらせた。そこにはオレの予想を一桁超えた額が、メタリックフォントで燦然と輝いていたのだ。 まぶしいぜ。 「いえ、いいんです。自分は別に」 オレはシエンの顔を見た。申し訳なさそうに見上げるそいつの目。 そのとき、オレの中で何かが切れた。 「買うぞ」 オレは間髪いれずに言ってしまった。なんだか知らないが、買わなきゃいけない気がしたからだ。こいつのために。 「でも」 「いや、買う。これはご主人様めーれーだ」 言葉が間違っている気がする。 「ご主人様……」 「いいんだよ。金もあるし。お前が喜ぶなら、こんくらい」 「あ、あ。……ありがとうございます、ご主人様!」 シエンは満面の笑みでオレに抱きついた。尻尾を千切れんばかりに振っている。おいおい、そんな表情初めて見たぜ? 数日後。神姫の箱を四つ合わせたくらいどデカいパッケージが部屋の真ん中に鎮座していた。 オレとシエンはパッケージの前に正座する。ごくり。おもちゃに対して固唾を呑むのはさすがに初めてだぞ。 いよいよ開封。鉄片から発泡スチロールの梱包材ごと取り出す。とてつもなく重い。きっとおもちゃのガワの中身は動力がぎっしり詰まっているのだ。下手な持ち上げ方をすればぎっくり腰になるぞこりゃ。背筋をまっすぐにして「ふんぬっ」と中身を持ち上げ、シエンが箱をおろす。適当にスチロールを外すと、出てきたのはシエンの二、三倍はあろうかという緑色のロボットだった。 オレは触ってみて重さの正体を知った。重いのは動力のせいだけではなかったのだ。 「全身金属かよ……。これホントにおもちゃか?」 シエンは尻尾をぶんぶん振り回しながら、ほあー、という顔をしてロボット、スコープドッグを見上げていた。こいつにとっては神姫スケール換算四メートル弱の巨大ロボットなのだ(作者注:倉田光吾郎氏製作、一分の一ボトムズを見上げたことのある方はそのときの感情を思い出してください)。 「あの、ご主人様」 「ああ、良いぜ。乗ってみな」 オレは説明書片手にスコープドッグのハッチを開ける。シエンを持ち上げて乗せようとしたが、 「自分で乗ります」 と言って歩み出た。なるほど、昇降用の手すりや出っ張りがちゃんとあるのか。三十年前のおもちゃにしてはよくできたデザインだと感心する。シエンは乗り込む楽しみも味わいたいようだった。その気持ちはオレも良っく分かる。 シエンが自分でハッチを閉める。中でなにやらカチャカチャしていると思ったら、突然ロボットのカメラアイが「ヴゥーン」という電気音を立てて光りだした。 「うわっ!?」 オレはびっくりして引いてしまう。 主動力らしいエンジン音のようなグングンという音が鳴り始める。 ガシャン スコープドッグが最初の一歩を踏み出した。 「シエン、大丈夫か!?」 スコープドッグのバイザーが上に競りあがる。頭の穴からシエンの顔が見えた。 「問題ありません。動きます。すごいです、ご主人様」 「そ、そいつは良かった……」 シエンを載せたスコープドッグが部屋の中を歩き回る。時折腕を回したり、いらない段ボールに向けてアームパンチを繰り出したり。うわ、ダンボールが破れた。どんだけ強力なんだ? ローラーダッシュのスピードは俺の狭い部屋じゃ速すぎる。やめろピックを打ち込むな、ターン禁止!! あーあ、床がへこんだ。こりゃあただのおもちゃじゃないぞ? いやしかし。オレも乗ってみてぇ……。 「ん?」 説明書のほかに妙なチラシが入っている。店側が入れたやつだろうか? チラシにはこう書かれていた。 『武装神姫in装甲騎兵ボトムズ・バトリングリーグ&トーナメント 近日開催!!』 オレはもう一度、シエンの動かすスコープドッグの方を見やった。 了 前へ 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/moecanch/pages/72.html
【開催期間】 2012年6月13日(水) 10 00 ~ 2012年6月26日(火) 10 00 【イベント内容】 てるてる坊主を作って、お出かけ日和の晴れにしましょう。 お出かけ場所を 遊園地 、 動物園 、 自然公園 の3種から選びます。(チーム分け) チーム全員で 晴れメーター を貯めるとそれぞれのコスチュームアイテムが貰えます。 作った時に貰える てるてるポイント と限定アイテムを交換する事も出来ます。 てるてるポイントのランキング景品もあり。 ◆材料・てるてるポイントについて てるてる坊主を作るには材料が必要になります。材料によって貰えるポイントが異なります。 太陽の石使用で5回分のてるてるポイントの数が2倍になります。 ◆体力について ・体力1につき、てるてる坊主を1つ作る事が出来る ・最大値は 5 ・お勉強1時間につき 1 回復 ・お仕事1時間につき 1 回復 ・マイロチェリーをあげると 5 回復 ・日跨ぎで 最大値 まで回復 (0時を過ぎると回復します) ◆ランキングについて てるてるポイントの総数がランキング形式で表示されます。最終順位にて、景品が貰えます。 ◆晴れメーターについて てるてるポイントを貯めると晴れメーターのゲージが貯まっていきます。 晴れメーターはチーム全員の合計で、最大まで貯まるとそれぞれのコスチュームアイテムが貰えます。 10回 最大まで貯まります。(つまり10種類アイテムが貰える) !注意! (要検証) 晴れメーターで貰えるアイテムは、体力が1残った状態でないと貰えません。 貰わないまま次のメーターが貯まってしまうと、前のアイテムは貰えない様子。 貯まり具合が早いチームの場合はこまめにチェックした方がいいかもしれません。 ◆公式キャラ出現 てるてる坊主を作ると、萌Can公式キャラと出会う事があります。 出会うとプレゼントがが貰えます。キャラ毎に貰えるものが異なります。